ネムリネズミは夢を見る

スポンサー広告

スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



*Edit TB(-) | CO(-) 

我が名誉にかけて!

我が名誉にかけて! 12




「オーバンと申します。私はルーン、ハガルの生まれにございます。樂奇は笛にございます」

似たような説明をかれこれもう二時間ほど聞かされている。
たくさんの楽士が集まって、出身やら樂奇について語り礼をとっていく。
妙な空間だと巳緒は思った。

アレクサンドラは決してこの場に居る人間をさん付けで呼んだり、相手に敬語を使ったりするなと巳緒に釘をさしていた。
そのことすら巳緒にしてみれば不思議でならない。

「神谷ルカと申す。越後では屡歌と呼ばれておった。生まれはタロッキ、ジャスティスじゃ。樂奇は見ての通りこの刀、春日じゃ」

神谷は王となった巳緒の前でも今まで通りの少し人を見下したような視線で彼女を見る。
周りの者はそれが嫉ましいのか憎しみの籠った視線を神谷に向けていた。

三十人ほどの候補者を見ただろうか。その中に女性の姿が無い。
「女の人は居ないの?」
隣に居たアレクサンドラにそっと耳打ちする。
「宮廷楽士は巳緒様が樂士長を決める事になり、その方が樂団を形成する事になります。その際には巳緒様がお好きな方を推薦することも出来ますが、樂士長ほどの実力者は今ここに居る35名です」
「アレクサンドラは誰が良いと思う?」
正直なところ、沢山のことを一度に話され、巳緒には理解できなかった。
この中で一人だけを選ぶ意味があるのかさえ、今の巳緒にはどうでもいいことだった。
「それは、巳緒様がお決めになられることです。私などが口出しすることではございません」
アレクサンドラはそれだけ言って巳緒の傍を離れる。
「そもそも樂士って何人必要なの?」
集まった樂士たちに巳緒が問い掛けると、あからさまな嘲笑を受ける。
巳緒の目には「王の癖にそんなことも知らないのか」「こんな小娘に仕えるなんて」と彼らの視線がそういっているようにと映る。
自分の肩を抱き、神谷に向かった。
「神谷、貴方が樂士長になったのなら、樂団には何人必要?」
「そうじゃのぅ…我なら多くて20人少なければ15人。そなたが望むのであれば単身でも構わぬ」
そういえば、樂士もまた戦うのだったと巳緒は思う。
一体どうやって戦うのかは検討もつかないが、戦うのであれば人数が多いほうが有利のように思える。神谷のそれは犠牲者を出さないためのそれなのか、それともその少人数でこなす自信があるのか。

「決めたわ。神谷、貴方が樂士長をやってくれる?」
「身に余る光栄…」
神谷は満足そうに微笑み目を伏せた。
スポンサーサイト



*Edit TB(0) | CO(0)

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

~ Trackback ~

トラックバックURL


»»この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)»»この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 ◆Home  ◆Novel List  ◆All  ◆通常ブログ画面  ▲PageTop 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。