ネムリネズミは夢を見る

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ナルシスの残像

ナルシスの残像 1




もう…一年も経ったのか…

ぼんやりと空を見上げながら煙草に火をつける。
「今頃どうしてるかな」
陽炎…それにユウキ…
「どうしたんだDIE?」
雷地か…
「いや、あいつらがいなくなってもう一年かって思ってさ」
「んーそうだな。なんっかヤル気出ねーよな」
一年前の今日、ユウキが飛行機事故で死んだってことになってる。その直後から陽炎も行方不明。
「次はオレかお前か?」
「かもな」
どうも…俺たちは呪われてるんじゃねーかって思うくらい不幸が続いた。
親友と言うにはアンバランスすぎ、家族と言うにはやや離れている。同志とでも言うべき仲間がわずか一週間の間に二人も居なくなってしまったのだから、本当に何かの祟りなんじゃないかとすら思う。
「不幸の元凶はユウキだからな…まぁ、メンバー順なら俺、年齢順ならお前ってとこか?」
ユウキも陽炎も17だった。俺は今年26。なら次は20の雷地か?
「そういや紫龍がまたこっち来るらしいぜ?」
「ん?紫龍が?いつだ?」
「今日」
ったく…また急な奴だな…
「ユウキの家は結局俺たちが使わせてもらってるからまたあいつと一緒に生活するのか?」
「…オレ、あいつのいる間だけ実家に帰ろうかな」
「同感」
どうもあのフランス人とは相性が悪い。
ユウキが関わりたくないと言っていたのが、今更ながら解る気がする。
「だけど、陽炎が消えたことに関してなんか知ってるかもしれねぇからな…不本意だが一応会っとくか」
かなり気が重いが、雷地と共に旧中條家へ戻ることにした。



「よぅ、相変わらず暇そうだな。紫龍」
「酷いなDIE」
いかにも暇そうな和服を着たフランス人に歓迎と言うよりはとっとと国に帰れと言わんばかりの視線を送る。
「いや、でもしょっちゅう日本に来るよな。お前」
「日本は私の第二の母国だからね」
そう言って紫龍が微笑む。
「ホント、何しにきたの?」
煙草に火をつけながら言う。
「何って、DIEと雷地に会いに」
輝くほど笑顔で言う。
「「帰れ」」
思わず二人声が重なった。
だが、こいつが居るとろくなことが起こらない気がする。
「酷いなぁ。まぁ、冗談なんだけどね。君たちが何か知りたがっている気がしてさ」
「ああ、ちょうどあんたに訊きたかったことがあるんだ」
去年の、夏の出来事…


『部屋に買った物を置きに行くだけだよ』

『行ってくる』


そう、今でも頭に残っている。ユウキの最後の言葉。

『ごめん』

そう一言書かれたピックと青いギター
「あんたの一族の呪いって何だ?」

『一族の呪いだよ』
ユウキが死んだ日、確かにこいつは言った。
俺は呪いなんてものは信じてない。だが、陽炎はそれに巻き込まれたかもしれない。
そんな風に現実逃避とも取れる思考が俺にまとわり憑く。
「DIE、本気で聞きたい?」
「ああ」

あの言葉が離れない。
残像が…
ユウキがまだ、俺の中にいる。

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